2017年7月18日

防衛白書と防衛省の平成30年度概算要求

2017年版の防衛白書の取りまとめが進んでいる。白書では北朝鮮による核兵器・弾道ミサイル開発や運用能力の向上が「新たな段階の脅威」になったと脅威の認識を引き上げ、具体的内容をコラム等を使い紹介するようである。北朝鮮の脅威に対しては、核兵器計画の小型化・弾道化の実現の可能性、弾道ミサイルの長射程化、飽和攻撃の正確性や運用能力の向上、秘匿性、発射形態の多様化をあげ、我が国を射程に入れる固定燃料を使用した新型弾道ミサイル配備の可能性も示唆している。また、平和安全法制施行後の自衛隊の活動状況や、宇宙空間、サイバー、海洋安全保障の確保なども重点的に記載されるようである。
平成30年度概算要求へ向け防衛省では、骨太2017を踏まえ、北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威が増す中で「国家安全保障戦略」に基づく実効性の高い統合機動防衛力の整備や弾道ミサイル対処能力の向上、戦略的研究開発及び防衛生産・技術基盤の強化、諸外国との装備・技術協力等の推進などを図りながら、領海警備・海洋監視能力の増強や国境離島の保全、地域社会の維持等への取組みへの配分を重視した概算要求を行なうものと思われる。