2020年6月17日

第201回通常国会は会期の延長もなく閉会!

本日、通常国会が閉会となった。

本来ならあと1ヶ月少しで東京五輪が始まり、日本国中が最高潮の盛り上がりを迎える時期のはずだったが、新型コロナウイルスで世界が一変した。歴史的な新型感染症の拡大で、新しい生活様式が強いられ、サプライチェーンはズタズタとなっている。世界中で巨額の国費が感染症対策に投入され、世界経済の先行きも不安感しかない状態である。

半年前は誰も想像しなかった出来事が、今この瞬間も続いている。北朝鮮やイラン、米中対立など国際情勢が不安定となる中で、追い討ちをかけるようなコロナ禍である。日本政府も230兆円を超える過去最大の対策を講じ、2020年度予算も補正予算を含め160兆円超の巨額予算となった。しかしながら、治療法やワクチンは未だ開発されず、国民の不安は増すばかりである。

政府は、補正予算に10兆円を超える予備費を盛り込み国会閉会中でも迅速な対応が可能であるとし、会期の延長に動くことはなかった。与・野党は、閉会中も週に一度閉会中審査などを行うことで万が一に備えるとし、国会閉会に合意したが、閉会後に大きな行事や重要な国際会議があるならともかく、東京五輪も延期となり重要なイベントや国際会議が続いているわけではない。新型コロナウイルスという未曾有の事態に対処するのであれば、少なくとも当分の間は国会は開いたままにするのが筋である。

公務員のボーナスに合わせて国会議員にも近々期末手当が支給される。毎月の歳費は国会で2割削減を決めたが、期末手当ては300万円を超える金額がそのまま議員の収入となる。国民に我慢を強いていながら、自分たちはきちんと手当をもらおうというのでは国民の理解は得られない。期末手当を貰うのであれば、国会議員は国会でしっかり働くべきであろう。そうでなければ期末手当は返上すべきだ。

新型コロナ対策の不手際や桜を見る会、検察庁法の改正、河井前法務大臣夫妻や菅原前経産大臣の公職選挙法違反など、最近は国民の信頼を失うような言動が政府・与党には多い。政権が長期化し権力が集中しすぎたため勘違いをする議員も増えたようだ。そのため最近の政治家の発言は信用できないものが多くなった。

それは、与党だけでなく野党も一緒である。国会は総理や閣僚を吊し上げる場ではないのに、野党の中にはそれが自分の責務とばかりにやたらと攻撃的になる議員が多い。今国会で安倍首相は139回も衆議院や参議院の会議に出席し、相当な時間を答弁に費やしている。その貴重な時間を有効に活用せず、揚げ足取りや責任追及ばかりに終始するようでは国民の支持を得ることはできない。総理や閣僚と議論するのであれば、相手の失点や自身の得点ばかり狙うのではなく国民の理解を得られるような議論を工夫すべきである。

未曾有の危機をどう乗り越えるか、国会議員に課せられた責任はこの上なく重い。長期政権となった安倍内閣も残りの任期はわずかである。国民の信頼を失いレームダックとなったまま求心力を失っていくのか、それとも起死回生の一手を投ずることができるのか、近々と予想される内閣改造も含めて今後の動向から目が離せない。国民の審判はそう遠くないうちに下される。野党の奮起も期待したい!