2017年9月1日
平成30年度概算要求について
来年度予算の概算要求が昨日まとめられた。一般会計の要求総額は100兆円の大台を超えたが、税収の伸び悩みや歳出拡大圧力が高まる中で、消費増税の最終判断も控えており、予算編成に向けての財務省の歳出絞込みでは各省庁との厳しい交渉が予想される。
厚労省は、社会保障費の自然増を6,300億円程度とするが財政健全化計画では5,000億円程度に抑える必要があり、待機児童対策で保育費の受け皿整備に500億円相当の手当てを見込むが、財務省は診療報酬と介護報酬での同時改定での報酬引き下げや、高所得者への児童手当廃止などで財源確保を目指すとしている。さらに働き方改革では、長時間労働を減らすために一定の休息時間を確保する勤務間インターバル導入の中小企業への助成金として15億円が盛り込まれた。文科省は、幼児教育の無償化は概算要求段階では事項要求としており、対象者の線引きや財源探しが課題となる。防衛省は、北朝鮮のミサイル発射などで情勢が緊迫化しており、ミサイル防衛の強化などで過去最大の5兆2,551億円の要求をした。また、オリンピック・パラリンピックに向けて羽田空港の機能を強化する誘導路の新設や、マイナンバイカードの普及へ向けたシステム改修、所有者特定が難しい土地の本格的調査、農家の収入保険制度の積立金、防災対策の強化などが盛り込まれており今後の交渉が注目される。来年度予定される天皇陛下の譲位に伴う費用は事項要求となった