2015年7月12日

中国が一人っ子政策を完全撤廃のニュース

中国政府が現在は限定的に緩和している一人っ子政策を、今後1~2年で完全撤廃するとの専門家の見通しを11日付の中国英字紙チャイナ・デーリーが伝えました。背景には労働人口減少への危機感があるようです。

中国は日本の高齢化社会を上回る速度で高齢化社会に突き進んでおり、2035年までに2人の現役労働者が高齢者1人を支える超高齢化社会を迎えます。

中国共産党・政府は2013年、夫妻のどちらかが一人っ子なら第2子が持てるよう規制緩和を決定しましたが、対象の夫婦1100万組のうち、第2子出産を申請したのは107万組にとどまっているといいます。

中国では子供1人を6人の親が育てると言います。夫婦の両親も子供の世話をみるので6人の親で育てると言う意味です。そのため子供は6人の親の愛情をたっぷり注がれて育ちますが、一人っ子なので過保護に育てられる傾向があり、この環境下ではなかなか2人目を生む環境にならないのも現実のようです。
実際に沿海部の大都市などでは少人数の家族を好み、住宅、教育などの問題から2人目を産むのを控える傾向がありますので、単に一人っ子政策を撤廃するだけではなく抜本的な対策も必要だと思いますが、いずれにせよ2人目、3人目の子供を望む人たちに朗報となることは間違いないようです。