2017年10月2日

野望から希望、希望から失望に変わらぬように…

衆議院が解散して最初の週末が過ぎた。突然の解散、そして突然の新党結成、さらには野党第一党の候補者が消滅と、メディアが大喜びするような政治劇が連日である。しかし、冷静に見ればすでに大局は決したのではないか?
今の時点で小池都知事が希望の党の代表として衆院選に出馬するのは難しいだろう。また、公認調整のドタバタ劇で当選可能な候補者を過半数以上確保するのも難しくなった。さらに、民進党の一部候補者がリベラルの旗を掲げ分裂した。投開票までまだ3週間近くあるが、最大の山場が衆議院の解散日だったということにもなりかねない。劇場型はメディアの悪ノリにも責任の一端がある。政策論争を中心とした冷静な報道を望みたい。
女性初の総理の座を目指す小池氏は2020年以降の総選挙が勝負と考えており、今は自分の思いを託せる政党ができれば良いと批判覚悟で候補者の選別をしている。うまくいけばこの勢いで今回総理を目指そうと思ったのかもしれないが、その流れは厳しくなった。この構想に協力した前原氏も小池氏と役割分担ができているなら相当な戦略家だが、実際はどうか?甘い見通しでこの混乱を招いたなら切腹ものだが、将来保守系の二大政党制となるきっかけを作れたのであれば、それだけでも天晴れな行動となる。
みらい研の現時点の調査では、希望の党は100議席に届きそうである。もっとも希望の党は大半が候補者未定のため、選挙区情勢を見た仮定値での算出である。対する自公は270から280前後で落ち着きそうだ。勝利が確実な小選挙区が130近くあるのが大きい、これに比例や激戦区の一部が加わる。公明は手堅い選挙で30前後は確実で、与党としては当初想定していたほどの大負けはないと見る。維新は微増、共産党は批判票の受け皿となり今回も善戦である。
選挙後の国会ではやはり希望の党が台風の目となり、当面は小池都知事の一挙手一投足が興味深く報じられることとなるだろう。2020年まで賞味期限が切れなければ女性初の宰相も夢ではないが、果たしてどうなるか?希望が失望に変わらぬことを祈るのみである。