加計学園の獣医学部新設をめぐる愛媛県の報告文書が国会に提出された。これによると2015年2月に安倍総理が加計孝太郎理事長と面会し獣医大学新設についての報告を受けたという。面会の事実は首相側も学園側も否定しているが、文書では面会内容が学園からの報告として記述されている。朝からメディアや野党は大騒ぎである。確かに総理が加計学園の獣医学部新設を「2017年1月20日に初めて知った」と言う事実とは矛盾する。しかし国会に提出された文書を読むとそれで大きな力が働いたとは読み取れない。柳瀬秘書官や安倍総理の話と食い違うところがあるとしてもこれは収賄事件とは事案が違う。申請手続きはルールに基づき適正な形で行なわれたものと思われる。国民の８割近くが納得しないこの問題は、総理の脇の甘さにも反省すべき点がある。しかし、野党の追及にも釈然としないものを感じるから、国民の野党に対する支持率も伸びないのではないか。ここは一度矛を収め大人の対応で政策論争へ舵を切った方が、野党への期待値も上がり、政権交代可能な政治体制に近づくのではないのだろうか。