2019年10月18日

リチウム電池の開発経緯とこれから

ノーベル化学賞を受賞した吉野彰旭化成名誉フェローが自民党文部科学部会と科学技術・イノベーション戦略調査会の合同会議で「リチウム電池の開発経緯とこれから」と題し講演した。さすが時の人である。会場は立錐の余地なく満席、第6期科学技術基本計画の策定にも弾みがつくとの声もあった。
吉野名誉フェローによると、リチウムイオン電池に最適なカーボン材料を負極としたことが受賞の理由とのことである。リチウム電池は、理論的には福井謙一氏、白川英樹氏からつながる産学連携による自分も含めた3人のノーベル賞受賞者に支えられているとのことだ。
33歳(1981年)から研究を始め、1985年に基礎技術ができ、1995年のWindows95の出現と同時にダーウィンの海を超えることができたとのこと。
産業界の研究者はアカデミアに比べて論文などで不利だが、特許の取得がノーベル賞受賞につながるきっかけになったとのことで、特許取得を今後の産業界の研究者は励みにしてもらえばとのことであった。
また、リチウム電池の発展と同時にIT革命に次ぐET革命が来ており、車の進化を例に、エナジーとエンバイロメントが第4次産業革命において重要であるとし、ゼロエミッションを目指すAIEVのシャアリングで未来の姿は変わるだろうとの見解、自作の動画を披露しながら示した。吉野氏によると、リチウム電池だけでなくAIやIoTも含めてサスティナブルな社会実現に向け、環境問題解決の具体策をどうするのかがこれからの大きな課題であるとのことであった。
改めて、ノーベル化学賞の受賞を心から祝福したい。Congratulations!

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