石破首相が退陣を表明
7月の参院選での大敗から約1カ月半、「政治空白を生むことがないように」と続投の意向を示し続けてきた石破茂首相が、9月7日に退陣を表明した。
石破政権は、発足直後から大型選挙で3連敗と負け続け、国政選挙は衆参両院とも過半数を割る歴史的な大敗を喫したが、その責任を曖昧にし、続投の可能性を模索してきた。
そのため、党内で臨時の総裁選を求める声が高まり、対立が露わになり始めていた。対立が激化する前での決断は評価したいが、結果として大きな政治空白を作ってしまった。
あれほど続投にこだわっていた首相が、退陣を決断したきっかけは、前日の菅元首相や小泉農水大臣との話し合いによるところが大きいようだ。
三者の間では、総裁選前倒しの署名が過半数を超える勢いである、衆議院の解散という切り札は使えない状況にある、党の分裂は避けなければならないこと、などが話し合われた。
石破首相は、日米関税交渉で合意した15%の相互関税や5500億ドルの投資について、文書が取り交わされ、大統領令も発出されたことから、退陣の決断をすることにした。
石破首相の退陣で、自民党は総裁選に突入する。詳細のスケジュールは未定だが、これ以上、政治空白を作らないためにも、できるだけ速やかに実施してほしいと思う。
新総裁が直面する最大の課題は、衆参両院で過半数を失った状況での政権運営である。連携か連立かでも今後の政局は大きく変わってくる。総裁選で、避けては通れぬ論点となる。
一方で、取り組むべき課題も山積している。物価高対策や日米関係などとともに、石破首相がこだわった防災庁設立構想も、置き去りにはできない。農政改革も重要である。
首相の退陣により、日本は再び「不透明な政治の季節」を迎える。総裁選で誰が新総裁になるかで、今後のわが国の進むべき方向は大きく変わる可能性がある。
少数与党下で、自民党単独での政権運営は不可能なため、連立の拡大や野党との協調、国民との対話などをどのような形で取り組むか、総裁選での論戦が注目される。
石破政権の1年弱は、「選挙に勝てない政権は維持できない」という民主主義の厳しい現実を改めて示し、政治の停滞が国民生活に与える影響の大きさも浮き彫りにした。
今、日本の政治は大きな転換点に立っている。少数与党という構造的な問題、物価高という経済的な課題、そして国際情勢の不安定化という問題、新総裁に託される役割は重い。








