2025年7月22日

自公過半数割れで、混迷の時代が到来か?

参院選は、自公が過半数割れとなるほどの大敗を喫し、少なくとも3年、場合によっては9年以上、日本の政治は混迷から抜け出せない可能性が高まった。

野党は、明暗が分かれた。立憲や共産、れいわなどの既成政党が伸び悩み、新興勢力である国民や参政が大きく議席を増やした。日本保守やチームみらいなども議席を得ている。

若い世代や、無党派の自民離れは深刻で、今回の選挙で自民は600万近い票を失った。これらの票が国民や参政などの新興勢力に流れた計算になる。

比例では、国民や参政は立憲を抜いており、日本保守やチームみらいなども加えると、新興勢力は2,000万票近くを得ている。結果、自民は1,281万票まで票を減らすこととなった。

自民は、これまで比例では1,800万前後を得ており、昨年の衆院選で1,458万票と400万票近く減らしていた。ところが、今回はそこからさらに200万票近くも減らすこととなった。

選挙区では、全ての地区で候補者を擁立した参政が大きく躍進し、総数で立憲を超える926万票を得ている。この流れが自民候補の票を奪い、自民の議席減にもつながっている。

革新系は、一人しか革新候補がいない選挙区は票が集まったが、候補者の一本化が整わなかった地区では、国民や参政に主役の座を奪われたところが多い。

野党候補の一本化が限られたため、与党は議席を減らしながらも、過半数を大きく割り込むところまではいかなかった。見方を変えれば、善戦したという言い方もできる。

しかし、そのために、石破首相が比較第一党を理由に続投を宣言し、総理の座に居座ろうとしているのは、国益を続投の大義名分にした、極めて身勝手な理屈だ。

若い世代で石破首相を毛嫌いする人は多く、これが投票率の上昇にもつながっている。政党が多極化し選択肢が増えたことで、積極的に自分の考えに近い政党に投票した人も多い。

石破首相は、この事実に正面から向き合う必要があり、続投などを軽々しく口にすべきではない。選挙の結果を無視するなら、単に総理の座にしがみつきたいだけの人になる。

大型選挙で3連敗し、与党を衆参両院で過半数割れにしてしまった責任を、何一つとろうとしない事自体が国難に見え、なめるなと思う人も多いはずだ。

続投にこだわっても、長い期間総理の座に居座り続けるのは難しく、いずれ辞任は不可避となる。ダラダラと地位にこだわっていれば、傷口は深くなるだけである。

当面の政権運営に責任を持つというような期限も定めず、ネチネチした言い訳に終始する姿はみっともなく映り、首相への不満は自民党内でも一気に広がっている。

選挙に負け、衆参両院を少数与党にした責任は、石破首相にあると言って良い。話す内容に一貫性がなく、覚悟も示せない首相を、日本の恥だと切り捨てる若者は多い。

本人がどう弁解しても、首相の説明を信じる人は、もはや取り巻き以外には誰もいない。政治の信頼を毀損した責任は大きく、このままなら史上最低の総理の仲間入りは必定だ。

1日も早く退陣を表明した方が、日本のためにも、石破首相本人の為にも良い。国民が見放し、政権担当能力にも疑問符がついた以上、早く辞めないと、混乱は増すだけである。

与党が衆・参両院で少数になったことは、悪いことだけではない。与党の政権運営は厳しくなるかもしれないが、より多くの民意を汲み取ることも可能となる。

しかし、その役目は、石破首相が担うものではなく、新たな政権によって行われるべきものだ。日本の政治は、両院の与党過半数割れを受け、野党も責任を負う新たな局面に入った。