衆院選で与党大敗
今回の衆院選は、与党が過半数割れするという衝撃的な結果となった。自公の政権基盤が不安定になり、政治に緊張感が生まれる局面に突入した。
緊張感のある関係は重要だが、ここまで迫られると不安定要素の方が多くなる。政治が停滞し、国際社会から見放される可能性も高まった。
自民は、前回選挙から70議席も減らす大敗である。正直、ここまでの激減は全く予想していなかった。
政治とカネが争点といえども、裏金議員と繰り返し批判する一部野党には冷めた見方もあった。自民が単独過半数を割っても、与党の過半数割れはないと分析していた。
しかし、投票日直前に報道された自民の2000万円支給問題が大激震で、自民大敗の決定的な流れとなった。報道に文句を言っても遅い。自民執行部の大失態といえよう。
今回の投票率は53.85%と、前回に比べて2.08ポイントの減となった。前回に比べ200万人以上が投票所に行かなかった計算である。
立憲の比例票は1,184万票強で、前回から35万票近く増えた。共産との協力がなくても、力を示すことはできたと言える。
自民は前回より485万票近く票を減らしている。今回選挙に行かなかった人の大半が、自民支持者と言って良いだろう。
また、日本保守党が114万票強を得て存在感を示した。3議席を得ているが、こちらも大半は元々は自民支持者だったはずだ。
そう考えると、自民は今回の選挙で300万票近くを失った計算になる。首相がブレ続けなければ、ここまで議席を減らすことはなかっただろう。その責任は重い。
内閣不信任案の成立や、党内の石破おろしが現実化する可能性が高まった。麻生首相に退陣を迫った動きが、自身にも出てくるだろう。
四面楚歌の首相に、活路があるかは微妙である。自身の今までの言動がブーメランとなる可能性は高い。政治の世界は一寸先は闇、の物語が今まさに進んでいる。