2020年9月15日

菅義偉自民党総裁が誕生

菅義偉官房長官が自民党の第26代総裁に決定し、16日には第99代の内閣総理大臣に就任する。

主要派閥の支持を受け選挙戦では終始優位を保っていたが、SNSでは菅官房長官の話題が徐々に盛り上がってきたとはいえ、石破氏を抜くほどの勢いには至らなかった。岸田政調会長は、残念ながら最後までSNSは盛り上がらず、本人も認める通り発信力の弱さが露呈した形となった。

ただし、SNSで自民党総裁選の話題がバズっていたわけではなく、全ての候補者が強い発信力を有していたとは言い難い。新体制での自民党の広報戦略は今後の課題となるだろう。

菅新総裁は、物事を手堅くまとめる実務能力に秀でた人物であり、有権者にインパクトのあるパフォーマンスはあまりしない。それでも就任当初は、無派閥、非世襲、苦労人のイメージがクローズアップされ、好意的に評価する報道が多いものと予想される。

しかし、就任当初の好意的な報道も時間の経緯とともに批判的な報道に代わる可能性が強く、リーダーシップと発信力を強化しなければ、先行きは決して明るいものにはならないだろう。

思い切った人事が新政権の高い評価につながる可能性が高いが、主要派閥の支援を受けたため最初の人事で菅色を出すのは難しいものと思う。自民党の総裁選前に野党が合流新党を結成し新代表を決めたが、野党の支持は上がっていない。自民党以上に旧泰然とした選挙をしたためだ。新政権や与党はそれを有利に活かすべきだろう。

新政権は、内政では安倍政権を継承し今まで以上に手堅くまとめることが予想されるが、米中対立や北朝鮮問題など外交・安全保障上の政治課題も多い。総裁選では外交課題について正面から答えなかった点が菅新総裁の課題であり、外交・安全保障が政権のアキレス腱となる可能性もある。

新政権の構図は三木内閣に環境が似ており、派閥の思惑で政権運営が左右される可能性が高い。総裁選での支援を考えれば、新政権発足直後に思い切った人事は難しいだろう。しかし、国際社会で信頼を得るためにはショートリリーフではなく本格政権が必須だ。派閥に遠慮のない人事を進め、自身の考えを政策に反映させるためにも、速やかに国民の信を得て、本格政権を目指すのが憲政の常道ではないだろうか。

内閣総理大臣の権限は強力だ。内閣がどのような方向を示すかも総理次第である。7年8ヶ月官房長官として権力の中枢にいた菅氏による新政権がどのような決断をするかが注目される。

 

 

参考資料(政策リサーチ9月14日政策レポート)