自民党新総裁に石破元幹事長が選出
石破元幹事長が、自民党の新総裁に選出された。9名も候補者が立候補し、限られた時間では、十分に議論が尽くされた言い難いが、今までにない形で繰り広げられた総裁選は、最後まで結果の読めない異例の選挙であった。
1回目の投票では、議員票で75票を得た小泉氏が、党員票が伸びずに3位となり、報道機関の事前予想でトップと報じられた石破氏は154票で2位、高市氏が181票でトップとなった。
決選投票は、高市氏に有利に動くかと思ったが、結果は、21票差で石破新総裁の誕生となった。前代未聞の無効票が5票もあり、初の女性総理誕生は、夢となった。5回目の挑戦で新総裁となった石破氏を祝福したい。
市場は石破氏の当選に、経済政策での不安を感じ一気に反応した。1回目の投票は高市氏が優勢だったため、急速に株高・円安に振れていたが、石破氏の当選で瞬く間に円高に転じ、株価は週明けに急落する可能性も高まっている。
経済政策の柱が財政規律で、経済成長の具体策が見えない。その懸念に市場は敏感に反応したと言える。外交でも、国際社会にどれだけ存在感を示せるかは不安だ。対応を間違えると、日本は再び国際社会の隅に追いやられてしまう。内弁慶の総理にだけはならないでほしいと思う。
自民党の議員が、選挙戦略で野党と対峙するのに最も適切な総裁と判断したなら、これは正解かわからない。女性総理誕生や史上最年少の総理誕生が、どれだけ国民の期待感を盛り上げることになるかも考えるべきだった。
彼女の右寄りを警戒するより、日本初の女性総理が、米国初の女性大統領と、国際社会の場で語り合う姿を実現すれば、日本のイメージは大きく変わると考えて欲しかった。高市氏と言えども総理になれば、現実的な判断をするのは明らかだ。
米国でガラスの天井が破られようとしている時に、日本は最大のチャンスを失った。今回の結果は個人的には残念だ。新総裁には、市場の不安を解消するためにも、党人事や閣僚人事で思い切った布陣を敷き、がっぷり四つに組んで野党を押し切るくらいの力強さを示して欲しいと思う。