2017年2月12日

日米首脳会談とゴルフ外交

安倍首相とトランプ大統領の初の首脳会談が終了しました。パームビーチでのゴルフ外交を含めた3日間の濃密な時間の共有は個人的なつながりや信頼関係が一層強化されたものと推察され、世界各国の首脳がトランプ大統領との距離感を測りかねている中で安倍首相の存在感は際立つものになりました。今後、トランプ大統領の発言や行動をめぐり各国首脳が安倍首相にアドバイスを求めたり、各国首脳との交渉にあたりトランプ大統領が安倍首相にアドバイスを求めたりすることも出てくると思いますので、日本は国際社会でも注目の存在となるのではないでしょうか。
一部に安倍首相の一連の行動を朝貢外交といって非難する方もいますが、人間関係も構築せずに遠慮のない議論をしていたら議論が破綻したあとどうなるかは目に見えており、それこそ国益を損ねます。トランプ大統領は今までのアメリカの常識を覆し当選した大統領です。政治経験がないと言っても長期にわたる厳しい大統領選挙を勝ち抜き大統領になったわけですから、アメリカの民主主義で選ばれた大統領です。わが国はこの新しく誕生した政権と少なくとも今後4年間は関係を続けなければいけません。お互いが素早く決断し、素早く行動したことで今回の会談はイギリスに次ぐ二番目の早さで実現しました。日本流のおもてなしとトランプ流のおもてなしで強固な信頼関係を築けたと思いますので一連の会談は大成功、今後は両国間で話し合われる具体策の詳細が注目されます。

安倍首相は第2次政権発足後、外国の訪問、震災被災地の視察、ゴルフ、を月に一度は行なうと決意し、外国訪問はこの4年間で今回のアメリカ訪問を含めて51回、66の国や地域を訪ねており公約通りに実行しています。世界各国をこれほど訪問している首相はわが国に今までおりませんでした。安倍首相の唱える地球俯瞰外交は着実に成果を生んでおり、その外交力は各国の首脳も頼るほどです。今後は更なるリーダーシップの発揮を期待します。

今回の首脳会談では安全保障面で大きな成果を得た上で、経済問題は麻生副総理とペンス副大統領という両国のナンバーツーをトップとした経済対話の枠組みの中で議論を進めることとなり、日本の主張がほぼ認められたものとなりました。厳しい交渉になると思いますが、親日で経験豊かなペンス副大統領が麻生副総理のカウンターパートナーとなったことで日米両国にとって有益な交渉が進められるものと思います。メディアでは安倍首相とトランプ大統領の相性の良さが話題になっていますが、麻生副総理とペンス副大統領の相性も大変良いのではないでしょうか。またあまり話題にされませんが麻生副総理とトランプ大統領も相性が良いのではと思いますので、両国間で素晴らしいチームを組めるだろうと思います。両国の首脳陣が胸襟を開いて交渉を進めれば自ずと解決策は出てくる、そのためにもこれからの交渉こそが重要です。
トランプ大統領への評価は色々あるでしょうが、日米同盟を外交の基軸とするわが国はアメリカとの良好な関係構築が最優先課題です。良好な関係を築けた首脳同士の会談をきっかけにトランプ大統領との新しい日米関係が更に深化することを願います。

首脳会談前の19秒にわたる長い握手、終了後には安倍総理もびっくり?
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スコアでは敵わずも安倍首相のゴルフも好調、濃密な3日間で会話も弾む
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