リーダーシップに欠ける政府の新型ウイルス対策
COVID-19と名付けられた新型肺炎の日本での感染拡大が止まらない。当初は中国政府の初動のまずさに批判の声もあったが、SARSの反省を踏まえ事態が公になってからの中国政府の対応は早かった。それに比べて日本は、このようなに状況になっているにもかかわらず、対策が場当たり的で泥縄である。
大規模イベントの中止や延期が続いているにもかかわらず、国会は桜を見る会の追及で審議が止まるなど呆れた状況だ。疑惑があるなら刑事告発して司法に判断を委ねれば良い。新型肺炎対策は、与・野党が一丸となって取組まなければいけない課題である。野党や一部メディアの論点ボケや重箱の隅的な追及をいつまでも聞かされる国民こそがいい迷惑である。政府・与党も一歩先を見据えた具体的な対策や全体を俯瞰したリーダーシップを発揮してもらいたい。
WHOはCOVID-19の致死率は全体で2%前後と公表した。死亡者の多い武漢を除くとインフルエンザより少し高いくらいの致死率だ。アメリカでは現在インフルエンザの猛威で、感染者は約2600万人、死亡者は1.4万人を超えているとのことだ。感染症の脅威は新型コロナウイルスだけではない。
正体不明であることが恐怖を煽っているところもあり、新型コロナウイルスのゲノム配列の解析を行ったところ、アミノ酸残基が人為的に変えられた形跡があるとの説まである。にわかには信じがたい話であるが、バイオテクノロジーはこのような説も現実と思わせるほど進化している。人為説の真偽は別としても、ウイルス対策は今後国家の安全保障上重要な対策分野となってくるだろう。
致死率が低いことが救いである。今回の対策で生じた様々な不手際は、今後の対策にしっかり活かすべきである。事態の推移に右往左往したり自らの取組を自画自賛するのではなく、国家の危機をいかに回避するか、明確な方向性と果断なリーダーシップを期待したい。このままでは日本は本当に三流国となってしまう。